T.O.P LIFE❤︎

ガチ、たぷペン宣言。

「BIGBANG MADE」監督インタビュー

-入隊、再契約に言及…BIGBANGのメンバーたちが望んだこと-

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「BIGBANG MADE」を見た人は口を揃えて言う――「思ったより面白い」

有名グループのワールドツアーの340日間の記録を収めたドキュメンタリーを楽しく観られるのはファンくらいだろうと思ったが、意外にもファンではない人も楽しめるということが映画を観た人の共通意見だ。

「BIGBANG MADE」はBIGBANGの1年間に渡るプロジェクトであった「MADE」に関する秘話やライブ実況、メンバーたちの非公開エピソードなどを盛り込んだ映画だ。ケーブルチャンネルの番組でよく見るリアリティ番組だろうと思ったら大間違いだ。「BIGBANG MADE」にはメンバーたちのリアルな葛藤から軍入隊や再契約など、敏感な内容についてまで、BIGBANGの日常がそのまま出てくる。ピー音で伏せられていない悪口が登場し、驚く観客もいるかもしれない。

BIGBANGの所属事務所YG ENTERTAINMENTとCJ CGVが合同制作したこの映画は、BIGBANGの10周年ワールドツアー「BIGBANG WORLD TOUR 2015~2016 [MADE]」の1年間の旅程を収めた音楽ドキュメンタリー映画だ。世界各地で開催したBIGBANGのライブ現場をリアルに収めたかったYG ENTERTAINMENTは、ちょうど様々なジャンルとの結合を推進していたCGVの新たな映像プラットフォーム“ScreenX”からコラボを提案され、一緒にドキュメンタリーを企画することになった。

ドキュメンタリー「BIGBANG MADE」の演出を統括したピョン・ジンホ監督は、YG ENTERTAINMENTの従業員だ。YG ENTERTAINMENTの映像制作本部で課長を務めている彼は、メンバーたちのアイデアをまとめることから始め、映画全般を率いて今の成果を生み出した。ピョン課長が「BIGBANG MADE」の当初の目標に据えたのは「20代の若者たちの現在の姿を自然に収める記録映像のような映画を作ること」だった。そのため特別なメッセージやストーリーを描くより、映像を観ている人々と同じ飾らない青年BIGBANGの姿を存分に見せたいということだった。
 
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「個人的にメンバーたちや今のありのままの姿をフィルタリングせずに盛り込みたかったため、10年間のBIGBANGのヒストリーや過去の姿、飾られた姿を果敢に排除し、1年間のツアー期間にあったことだけで構成しました。またステージ上の華やかなパフォーマンスのライブ実況と飾らないドキュメンタリーを織り交ぜ、BIGBANGの様々な姿を見せたいと思いました。そのため、これまで見たことのない新しい文法の独特なジャンルになったのではないかと思います」

メンバー5人の性格はそれぞれ非常に異なり個性が強いため、ピョン課長はこれを自然に活かすことにフォーカスを当てたという。そのため面白いこともたくさんあり観客にとっても「これでもいいの?」と思うほど率直なシーンが多い。一番敏感な問題である軍入隊と再契約に関する問題についても包み隠さない。率直過ぎることについてメンバーたちに抵抗感はなかっただろうか?

「全然ありませんでした。最初からこういう企画と意図を持って始めたわけだし、メンバーたちはもっとやっても良いと思っていました。本当に率直な姿を、もっと様々な形で見せたかったです。仮編集版を確認した時も、もっとそういう姿を入れてほしいと思うほどでしたから」

BIGBANGメンバーたちの望みに反し、やむを得ずカットされた部分も多い。ピョン課長は「実は19禁にしてほしいというメンバーからの要請があれば、公開の時期がもっと早くなったはず」と話す。率直に描いているが、さらに多くのファンに観てもらうための編集の過程は避けられなかったのだ。このような“レベル調整”が編集で一番大変な部分だったという。

「編集で一番難しかったのがレベルの調整でした。ジヨンさんのインタビューの中で、このような言葉がありました。『僕たちが人見知りをしているだけで、僕たち同士でいる時は誰よりも“変な子”が多い』と……。おそらくお分かりかと思います」
 

-BIGBANGメンバーが対立するシーン…本人たちもびっくりしていた-

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「BIGBANG MADE」の序盤はメンバーの肉声で始まる。ピョン課長はこの部分は完全に“偶然の記録”だと明かした。映画に入ることになるとは思わず録音したものだったが、内容に意味があり、盛り込むことになったという。

「中国の成都という都市でワールドツアーをしていました。ライブ後、メンバーたちとホテルの部屋で企画会議があった日だったんです。メンバーの5人と僕を入れて6人が会議をしました。でも、メンバーは5人で僕は1人だったので、メモを取りながら会議をすると聞き逃す部分が多く、後ほど改めて聞きながらまとめようと思って、メモしながらこっそり録音しました。すると、その会議でとてもいい意見が出てきて、本当に正直な話をたくさんしました。思いもよらなかった部分からイントロが誕生することになったわけです」
 
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「BIGBANG MADE」の特別な点は、メンバーたちの率直な姿をそのまま収めたことだ。悪口をずけずけと言うT.O.Pや、リハーサルの過程で生じるメンバーたちの対立がリアルに映し出される。メンバーたちは自分たちの率直な姿を盛り込むことを望んだが、対立するシーンを見ては驚いたという。

「映画の序盤にリハーサルをめぐって対立する部分があります。この部分も、メンバーたちが初めて粗編を見てびっくりしていました。メンバーたちはライブ前のリハーサルでもあるし、雰囲気も良くなかったので中継カメラが全部あることを知っていましたが、その様子を本当に撮っているとは想像すらしていなかったんです。ですが、ワールドツアーの始まりを告げる韓国公演のリハーサルだったし、全てのシーン一つ一つが重要だったので、ライブのときと同様に撮影しました。全てのカメラが撮影していたので、その当時のリアルな表情を収めることができました」

「BIGBANG MADE」は技術発展の面でも意味がある映画だ。コンサート現場での撮影の段階からスリーカムで撮影し、270度の3面スクリーンに収めた。ここには圧倒的な解像度を誇るRED EPIC DRAGON 6Kカメラ12台が投入され、これを通じて舞台の上のBIGBANGの華やかなパフォーマンスだけでなく、客席の熱気や感動、ライブ会場の隅々に渡る響きまでより立体的かつ、リアルに描き出した。そしてこのすべての技術を動員して見せてあげたいと思ったBIGBANGの姿は“この時代を生きる平凡な20代の青年”の姿だ。

「何かメッセージや意味を探そうとするより、2時間の間、何も考えず『BIGBANG MADE』を見ながら笑って楽しんでストレスを解消してほしいです。ライブのシーンでは楽しみ、BIGBANGのナチュラルな姿を見るときは『BIGBANGも結局この時代を生きる平凡な20代の韓国の近所の青年だな』と思ってほしいです。韓国では歌手の映画はやはり面白くない、駄目だという偏見がこの映画を通じてなくなってほしいです」
 
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-BIGBANGの反応?SOLはさらに遠慮せずに、T.O.Pは格好良さを欲しがった-

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自分たちの記録映画を見たBIGBANGのメンバーたちの率直な反応はどうだったのだろうか。監督を務めたピョン・ジンホ課長は、映画を見て非常に満足していたと語る。それもそのはず、どのような内容の映画にするか、相談しながら制作したためだ。誰よりも率直でありたかったメンバーたちの意見や願いが、そのまま盛り込まれている。
 
「本当に喜んでいました。これまで公開されなかった姿がありのまま盛り込まれていたので、そういう部分にさらに喜んでいたと思います。SOLさんからは、もっと遠慮せずにやって欲しいと要望されましたし、T.O.Pさんからは逆にあまりにも壊れすぎたので、格好いい姿も少しは入れて欲しいという笑えない要望がありました」
 
BIGBANGのメンバーたちが映画を観て発した最初の言葉は、「本当にお疲れ様でした」という感謝の気持ちだった。340日間の彼らの姿を映画に収めたピョン課長としては、やり甲斐を感じる嬉しい瞬間であったはずだ。
「1年間あまりの間、いつもカメラで記録していましたし、だから分量が膨大だということをメンバーたちも知っていましたが、試写が終わるや否やメンバーたちから最初に言われたのが、『本当にお疲れ様でした』でした。あれだけ多くのデータを記録して編集したことに対する感謝だったと思います」
 
笑えないエピソードもある。G-DRAGONが水泳をするシーンだったが、撮ってから見ると「本当に死ぬかと思った」と言うほど大変な時間だった。340日間、BIGBANGの隣で離れず何かを撮っていたので、意図せぬ形で予想だにしなかったことを盛り込むことになったのだ。
 
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「オーストラリアでG-DRAGONさんが海で泳ぐシーンがあります。ボートから出発し、フルショットで見える陸地まで泳いでいこうとしたんです。相当距離があったのですが、目視でも数キロはありそうな距離を、本当に泳いでいくのです。最終的には途中まで行って戻ってきはしましたが、戻った時はヘトヘトになっていました。そして言ったのです。『本当に死ぬかと思った』と」
 
BIGBANGメンバーたちは「BIGBANG MADE」の観客動員数10万人突破の公約として、ゲリラコンサートを約束した。公約のおかげだろうか。「BIGBANG MADE」は予想より多くの観客を動員し、人気を集めている。4日(月)までのスコアは2万8,206人だ。同時期に公開された日本では、公開1週目に5万人の観客を集めた。現在はソウル、京畿、忠清、江原、などのCGV映画館で観ることができる。
 
果たして「BIGBANG MADE」は、BIGBANGの願い通り10万人を集めることができるのだろうか。「BIGBANG MADE」は、記録そのものだけでも価値があるが、より多くの観客がこの特別な映画を楽しむことを願っている。